特売の日に買い込んだトイレットペーパーや洗剤のストックで、収納棚がパンパン…。
化粧品カウンターでもらった試供品が、使われないまま引き出しの奥に溜まっていく…。
「いつか使うかもしれないから」
「ないよりは、あったほうが安心だから」
そんな風に、ついつい溜め込んでしまいがちな「ストック品」と「試供品」。
これらは、私たちの暮らしに安心感を与えてくれる一方で、気づかぬうちに収納スペースを圧迫し、管理の手間を増やし、時には使いきれずに無駄にしてしまう…という悩みのタネにもなり得ます。
そのストック、本当に必要?「いつか使うかも」を解く方法
この記事では、そんな「いつか使うかも」という、ストック品と試供品を賢く管理するための具体的な方法をご紹介します。もう、「ありすぎて分からない」「いざという時に見つからない」というストレスとは、さよならしましょう。
なぜ、私たちはストック品や試供品を溜め込んでしまうのか?
賢い管理術を学ぶ前に、なぜ私たちがこれらのモノを溜め込みやすいのか、その心理を少しだけ覗いてみましょう。原因がわかれば、対策も立てやすくなります。
心理1:「なくなること」への過剰な不安
「トイレットペーパーが、最後の1個になったらどうしよう…」というように、私たちは生活必需品がなくなることに対して、本能的な不安を感じます。この「在庫切れ恐怖症」とも言える心理が、「まだあるのに、念のために買っておこう」という過剰なストック買いに繋がります。
心理2:「お得」という言葉の魔力
「通常よりも30%増量」「3個セットで買うと、1個あたりが安くなる」といったセールや特売の言葉は、非常に魅力的です。たとえ今すぐ必要でなくても、「今買っておかないと損だ」という気持ちが働き、必要以上のストックを抱え込む原因になります。
心理3:「無料(タダ)」でもらえるモノへの執着
特に試供品に当てはまるのが、この心理です。「無料でもらえるなら、もらっておこう」と、深く考えずにもらってきてしまいます。しかし、無料であっても、それを使う時間や保管するスペースは、決して無料ではありません。このコスト意識の欠如が、試供品の山を築き上げてしまうのです。
【ストック品編】在庫管理ストレスゼロへ!4つの黄金ルール
まずは、洗剤や食品、日用品などの「ストック品」の管理術から。コンビニのバックヤードのように、効率的で無駄のない流れを作ってしまいましょう。
ルール1:【見える化】すべてのストック品を「全部出し」する
片付けの基本ですが、まずは家中のストック品を、一箇所にすべて出してみましょう。キッチン、洗面所、物置など、点在しているものをすべて集めます。「同じ柔軟剤が5本も出てきた…」「賞味期限切れのパスタがあった…」など、現状を正確に把握することが、全ての始まりです。この「見える化」の作業なしに、適切な管理はできません。
ルール2:【定量化】わが家の「適正量」を決める
次に、アイテムごとに、わが家にとっての「適正量」を決めます。決めるのは、「最低何個になったら買い足すか(発注点)」と「最大何個までしか持たないか(上限)」の2つです。
例えば、トイレットペーパーなら、「残り2ロールになったら買う」「ストックは1パック(12ロール)まで」というように、具体的な数字でルールを決めます。これにより、「なんとなく不安だから買う」という行動を防ぎ、常に一定量を保つことができます。
ルール3:【仕組み化】スマホの「共有メモ」を買い物リストにする
ルール2で決めた「最低個数」になった瞬間に、スマホの買い物リスト(共有メモアプリなどが便利)にその品目を入力する、というルールを徹底します。ティッシュの最後の1箱を開けたら、その場でスマホに「ティッシュ」と入力する。これを家族で共有すれば、「あ、パパが買っておいてくれた!」といった連携プレーも可能になります。
ルール4:【効率化】「先入れ先出し」を徹底する
新しいストック品を買ってきたら、必ず、すでにあった古いストック品の後ろや下に置くようにしましょう。そして、常に手前から使っていく。「先に入れたものから、先に出す(使う)」という「先入れ先出し」を徹底することで、ストック品が古くなって賞味期限が切れたり、劣化したりするのを防ぐことができます。
【試供品編】もう溜めない!今日から使える3ステップ撃退法
次に、いつの間にか増えている「試供品」の管理術です。試供品は「試すためのモノ」と割り切り、鮮度が命と考えましょう。
ステップ1:「お試しボックス」を作って、1週間で使い切る!
引き出しの奥にしまい込むのが、溜め込む一番の原因です。もらった試供品は、洗面所などの目につく場所に置いた「お試しボックス」にすぐに入れましょう。そして、「このボックスの中身は、1週間以内に必ず使い切る」というルールを設けます。普段使っている化粧水の代わりに試供品を使ってみるなど、積極的に使う機会を作るのです。これにより、試供品は「保管するモノ」から「すぐに使うモノ」に変わります。
ステップ2:「旅行ポーチ」に入る分だけ、と割り切る
「旅行の時に便利だから」という理由で、試供品を保管している人は多いでしょう。それならば、保管場所を「旅行ポーチの中だけ」と限定してしまいましょう。ポーチに入る分だけの、本当に旅行で使いそうなアイテム(シャンプー、クレンジングなど)を厳選し、それ以外は潔く手放します。これで、不必要に試供品が増えるのを防げます。
ステップ3:思い出せない試供品は「即、手放す」
引き出しの奥から出てきた、いつ、どこでもらったか思い出せない試供品。それは、残念ながら、あなたとのご縁がなかったモノです。肌につけるものですから、品質の保証もありません。「もったいない」という気持ちは捨てて、感謝して手放しましょう。試供品の役目は「試されること」。その機会を失ったものは、持っていても役割を果たせないのです。
まとめ:「いつか」ではなく「今」を大切に。身軽な暮らしを始めよう
過剰なストックや、使われない試供品は、「いつか来るかもしれない未来」への不安の表れです。
しかし、それらを溜め込むことで、本当に大切な「今の暮らし」のスペースや、管理するための時間が奪われています。
ストック管理の目的は、節約やケチケチすることではありません。必要なモノが、必要な時に、必要なだけある。そんな「ストレスのないスムーズな暮らしの流れ」を作ることです。
まずは、あなたの財布の中に溜まっているレシートや、洗面所の引き出しに眠っている試供品の整理から始めてみませんか?
「いつか」という呪縛から自分を解放し、「今」を大切にする身軽な暮らしは、そこから始まります。