「片付けたいのに、動けない…」そんな自己嫌悪に、さよならしませんか?
「今度の週末こそ、絶対に部屋を片付けるぞ!」
日曜、固く誓ったはずなのに。
気づけばスマホを眺めているうちに夕方になり、結局何も手につかないまま一日が終わる。そして、昨日よりもさらに散らかっているように見える部屋を見て、重いため息とともに自己嫌悪に陥る…。
「どうして私は、やろうと思ったことができないんだろう」
「片付けくらい、どうしてサッとできないんだろう」
もし、あなたがそんな風に自分を責めているのなら、どうか、その手を止めてください。
片付けたいという気持ちは確かにあるのに、なぜか体が動かない。その原因は、決してあなたの意志が弱いからでも、面倒くさがりだからでもありません。
もしかしたら、それは、ただ「正しい計画の立て方」を知らないだけ。頂上が見えない険しい山を前に、どこから登ればいいのか分からず、立ち尽くしている状態なのかもしれません。
この記事では、そんな「片付け迷子」になってしまったあなたを救い出すための「地図」をお渡しします。もう二度と挫折しない「片付け計画」の立て方と、ゲームのように楽しく続けられる目標設定のコツを、誰にでも分かるように、具体的にお伝えします。
この記事を読み終える頃には、片付けに対する重い腰が、驚くほど軽くなっているはずです。
なぜ、あなたの片付けはいつも途中で挫折してしまうのか?
具体的な計画の立て方を学ぶ前に、まずは、なぜこれまでの片付けが上手くいかなかったのか、過去の失敗を少しだけ振り返ってみましょう。大丈夫、責めるためではありません。多くの人が同じように陥りがちな「挫折パターン」を知ることで、次の一手を効果的に打てるようになるからです。
原因1:いきなり「ラスボス(物置やクローゼット)」から手をつけている
「よし、やるぞ!」と意気込んだ時ほど、家の中で一番手強い場所から始めたくなりますよね。長年開けていない物置、何が入っているか分からない天袋、あるいは、もう何年も着ていない服がパンパンに詰まったクローゼット…。
しかし、これらはまさにラスボス級の強敵です。十分な準備運動や装備もなしに挑んでも、あっという間に返り討ちに遭うのが関の山。膨大なモノの量を前に、「やってもやっても終わらない…」と達成感を得る前に疲弊してしまい、「やっぱり私には無理だ」と諦めてしまうのです。
原因2:ゴールの見えないマラソンを走っている
「とにかく部屋をキレイにする」「スッキリした暮らしがしたい」という、ふんわりとした目標でスタートしていませんか?
これは、ゴールの場所も距離もわからないまま、マラソンを走り出すようなものです。自分が今、全体のどのあたりを走っているのか、あとどれくらいでゴールにたどり着くのかが全く分からないため、景色も変わらない一本道を延々と走り続けるような苦しさを感じます。これでは、モチベーションがすぐに尽きてしまうのも当然です。
原因3:「完璧な部屋」を目指しすぎている
SNSや雑誌で目にする、生活感のない、まるでモデルルームのような部屋。素敵ですよね。でも、いきなりそこをゴールに設定していませんか?
高すぎる理想は、今の散らかった部屋とのギャップを浮き彫りにし、「こんなの絶対に無理だ」というかえって無力感に繋がります。「持っているモノを全部捨てなきゃいけないんだ」「完璧に美しく収納しなきゃいけないんだ」という強すぎるプレッシャーが、あなたの一歩を踏み出す勇気を奪い、行動にブレーキをかけてしまうのです。
挫折率ゼロを目指す!魔法の「片付け計画」4つのステップ
お待たせしました。ここからは、もう二度と挫折しないための具体的な計画の立て方を、4つの簡単なステップでご紹介します。どうか、騙されたと思って、この順番通りに、一つひとつ進めてみてください。
ステップ1【理想を描く】どんな暮らしがしたい?まずは「ゴールの設定」から
不思議に思うかもしれませんが、片付けの最初のステップは、手を動かすことではありません。ペンを持って、理想の暮らしを「書き出す」ことから始めます。
片付けは、単にモノを減らすのが目的ではありません。その先にある「あなたが本当に望む、心地よい暮らし」を手に入れるための手段です。
まずは、お気に入りのノートや手帳を開いて、自由に書き出してみましょう。
「スッキリと片付いたリビングで、好きな香りのアロマを焚きながら、ゆっくり読書がしたい」
「朝、光が差し込むキレイなキッチンで、お気に入りのマグカップでコーヒーを淹れたい」
「扉を開けるたびにワクワクするような、大好きな服だけが並んだクローゼットが欲しい」
どんな部屋で、どんな音楽を聴いて、どんな気持ちで過ごしたいか。できるだけ具体的に、五感を使って想像してみましょう。この「ワクワクする未来」こそが、これから始まる片付けの旅の、強力な原動力になります。
ステップ2【現状を把握する】家の散らかり具合を「客観的に」チェック
ワクワクするゴールを設定したら、次は、スタート地点である「現状」を把握します。自分の家を、まるで他人事のように、客観的に観察してみましょう。
簡単な間取り図を描いて、「玄関に靴が溢れている」「ダイニングテーブルが書類の山になっている」「ソファの上が脱いだ服でいっぱい」など、気になる場所や散らかっているモノを書き込んでみるのがおすすめです。
少し勇気がいるかもしれませんが、スマホで各部屋の写真を撮ってみるのも非常に効果的です。「誰にも見せなくて大丈夫」と心に決めて、リビング、キッチン、寝室、洗面所…と、ありのままの姿を記録してみてください。写真という客観的な視点を通すことで、「思っていたより、この場所は重症だな」「逆に、ここはそれほどでもないな」といった気づきがあり、どこから手をつけるべきかの優先順位が見えてきます。
ステップ3【場所を絞る】「1日15分、引き出し1段」から始める
ここが、計画の中で最も重要なポイントです。ステップ2で把握した散らかっている場所の中から、片付ける場所を、これ以上ないというくらい「小さく、具体的に」絞り込みます。
例えば、「リビングを片付ける」では、まだ大きすぎます。
「テレビ台を片付ける」でも、まだ大きいです。
「テレビ台の引き出しの、一番上の段だけを片付ける」というレベルまで、具体的に絞り込むのです。
そして、「1日15分だけ」と時間を区切ります。スマホのタイマーを15分にセットして、スタート。15分経ったら、たとえ途中でも、潔く手を止めます。
「たったそれだけ?」と思うかもしれません。でも、それでいいのです。これなら、どんなに忙しい日でも、疲れてやる気が出ない日でも、「15分だけなら…」「引き出し1段だけなら…」と、始められる気がしませんか?この「始めやすさ」こそが、継続の鍵なのです。
ステップ4【時間を決める】カレンダーに「片付けアポ」を書き込もう
「時間があったらやろう」というタスクは、残念ながら、永遠にやってきません。
ステップ3で決めた「15分の片付け」を、友達とのランチの約束や、歯医者の予約と同じように、カレンダーや手帳に書き込んでしまいましょう。
「毎週土曜の午前10時~10時15分」
「毎晩、お風呂から上がった後の15分」
など、自分の生活リズムの中に組み込んでしまうのが、無理なく続けるコツです。これは、他の誰でもない、あなた自身との「未来を良くするための、大切なアポイントメント」なのです。
モチベーションが続く!片付けが楽しくなる目標設定のコツ
計画を立てたら、それをいかに楽しく実行していくかが重要です。自分を上手に励まし、ゲーム感覚で進めていくための、ちょっとしたコツをご紹介します。
大きな目標と「ベイビーステップ」を使い分ける
ステップ1で描いた「理想の暮らし」は、最終的に目指す大きな目標です。それとは別に、赤ちゃんの一歩(ベイビーステップ)のような、ごくごく簡単な「今日の目標」を設定しましょう。
「今日は、財布の中のレシートを全部捨てる」
「今日は、靴箱から、サイズが合わない靴を3足だけ手放す」
「今日は、洗面所の鏡をサッと拭くだけ」
どんなに小さなことでも構いません。この「できた!」という小さな成功体験の積み重ねが、「私にもできるんだ」という自信を育て、次の一歩への意欲に繋がります。
Before→Afterの写真を撮って「達成感」を可視化する
これは非常におすすめの方法です。ステップ3で決めた小さなエリアを片付ける前に、必ずスマホで「Before」の写真を撮っておきましょう。そして、15分の片付けが終わった後、同じ角度から「After」の写真を撮ります。
写真を見比べれば、たとえ引き出し1段、棚の上だけでも、驚くほどスッキリしたことが一目瞭然です。この「達成感の可視化」は、脳に直接「快感」として伝わり、最高のモチベーション維持装置になります。ぜひ、専用のアルバムを作って、あなたの頑張りの記録をコレクションしていってください。
小さなご褒美で自分を上手に乗せてあげる
私たちは、ご褒美のためなら頑張れる生き物です。片付けを「やらなければいけない苦行」から、「これをやったら楽しみが待っているご褒美付きのイベント」に変えてしまいましょう。
「引き出しを1段片付けたら、大好きなコンビニの新作スイーツを食べる」
「週末の片付けアポを3回達成したら、見たかった映画をレンタルして観る」
「クローゼットの片付けが終わったら、新しい服を1着だけ買う」
大切なのは、自分で自分の頑張りを認め、上手に機嫌を取ってあげることです。
もし計画通りに進まなかったら?そんな時の心の処方箋
どんなに完璧な計画を立てても、私たちの毎日には予測不能なことが起こります。急な仕事が入ったり、子供が熱を出したり、あるいは、どうしてもやる気が出ない日だってあります。そんな時も、自分を責める必要は全くありません。
計画通りにいかないのは当たり前!自分を責めない
「また三日坊主で終わってしまった…」と落ち込むのではなく、「そんな日もあるよね」「人間だもの」と、軽く受け流しましょう。一日休んだからといって、これまでの努力がすべて水の泡になるわけではありません。大切なのは、また次の日に、あるいは次の週に、何事もなかったかのように、しれっと再開することです。完璧主義を手放すことが、継続への一番の近道です。
計画をいつでも見直してOK!もっとハードルを下げてみよう
もし、立てた計画がなかなか進まない、苦しいと感じるのなら、それは、今のあなたに合っていない計画だというサインかもしれません。その時は、ためらわずに計画を見直しましょう。
「15分が長いなら、5分にしてみる」
「引き出し1段が大変なら、まずはその中にあるペンを3本だけ手放すことから始める」
もっともっとハードルを下げて、自分が確実にクリアできるレベルから再スタートすれば良いのです。計画は、あなたを縛るためのものではなく、あなたを助けるための道具なのですから。
まとめ:片付けは登山と同じ。地図(計画)があれば、誰でも頂上にたどり着ける
家全体が散らかっている状態は、まるで、頂上が雲に隠れた険しい山を前に、たった一人で立ち尽くしているようなものです。どこから登ればいいのか、どれくらい時間がかかるのかも分からなければ、一歩を踏み出すのが怖いのは当然のこと。
でも、あなたにはもう、目的地(理想の暮らし)と、そこへ至るための安全なルート(計画)が書かれた、信頼できる「地図」があります。
まずは、その地図を信じて、「1日15分、引き出し1段だけ」という、小さな小さな一歩を踏み出してみませんか?
その一歩が、昨日までとは全く違う景色を、あなたに見せてくれるはずです。そして、一歩ずつ進んだ先には、あなたが心から望んでいた、穏やかで心地よい暮らしが、必ず待っています。